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□新入り?
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「くっあ〜…今回の任務は疲れたなァ…」


一人言をぼやきながら、探偵社の廊下を長い一つに括った白髪を持った子供が歩く。



「傷も増えちゃったし…太宰さんに怒られちゃうかな…。太宰さん過保護だよねぇ…」


子供は青色の大きく、深い瞳を閉じる。疲れた時にやる動作だ。


彼本人は傷まみれなのだから、怪我について怒る権利は無いと思うのだが。

彼は異様に自分の怪我に拘る。


「与謝野先生に治して貰おうかなァ…でも解剖嫌だし。」


当たり前だが痛いのは嫌いだ。

寧ろ好きな奴がいたらそいつは相当の被虐愛好者だ。

解せぬ。


「おや、何やら騒がしいねぇ。」


何時の間にか探偵社の階の扉の前に来ていた。

本来この時間は大抵皆仕事の筈なのだが…何やら騒々しい。

「まぁ良いや…今日は、皆さん。只今出張から戻りました。」

「や、レン。お疲れ様♪」

「あぁ戻ったか。丁度良い時分だ。」

「レンさん、お帰りなさいませ!」

「あ、レンさん。お帰り…」

「只今です、太宰さん、国木田さん、ナオミさん、谷崎さん。…おや、そこの少年は?」

見ると、自分より銀色に近い白髪を持った少年が、小さく丸まって椅子にしがみついている。

「あぁ、彼は中島 敦君。新入社員だよ。丁度今、試験が終わったんだ。」

「ヘェ…参加したかったなぁ、面白いのに。」

「面白いって何ですか!?大変だったんですけど!?」

「はは、だろうねぇ。中々に威勢の良い子だ。私はレン・ヨハン・エリクス。レンで良い。」

「は、はい!はじめまして、中島敦です!」

「宜しく。」


ちょっと馬鹿そうだが素直そうな良い子だ。

可愛い。


「あの…大変失礼なのですが、レンさんは、男の方ですか?」


レンはピシリと凍り付いた。

後ろで太宰と国木田が吹き出したのが解る。

後で締めよう。
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