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□その人魚、過去(下)
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計画の実行は来年。

政治の仕事が忙しくなる時期に決行することにした。



今年にしなかった理由は、
あの男に信用させるため。


もう逃げない、完全に手中に収まったと思わせて逃げる。


油断しなければ闘争などできないから




そして長い一年が過ぎ、その時は来た。



前々から計画を立て準備をしていただけあって、手際よく進んだ。



パンパァン!!!


もう少しで邸の敷地を越えると言う時に、2発の銃声が鳴った



「っ……」

「くそっ……」

倒れる凛と膝をつく聖。



バレていたの。
逃げようとしていることが。



「とんだ茶番だよ、全く。
残念ながら君達が考えている以上に用心深くてね?見張りをつけておいて助かったよ!」



何か言っているが、今はどうでもいい。


凛が、真っ赤に染まっていく。

腕のいい者を雇ったのか、私だけ狙わなかった。


「てめえ…!!」


「はははっ!如月君は優秀な秘書だからねぇ…。確かに橘君も優れたメイドだったが…、メイドなんぞ金を出せば良いものは腐る程いる。悪いが、如月君にはまだ働いてもらうよ!」



皮肉なことに
本当に腕が良いらしく、凛には致命傷を与えている。

私の治癒力では、到底追いつかない。

護身用として渡されたナイフで腕を切りつけ血を凛の傷口に垂らしても垂らしても


凛の息はか細くなる一方で。



「おい、しっかりしろ!!」


『凛っ、、りんっ!!!』




ポツ、ポツ………


ザァァアッ


無情にも大雨を降らす神。



血は広がり、

やがて凛は


息を引き取った。
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