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□序章
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赤、朱、紅、あか、アカ…
タバコやドラッグによって腐臭のする血液がそこら中の床や壁に飛び散っている。
何て不愉快で愉快で…滑稽なの。
ポツ…ポツポツ…
ザァァァア……
『あっ、雨……』
窓の外から聞こえる心地よ良い雨の音
そっか、梅雨時だもの
何ら可笑しくなんかない
それでも、雨すらが此の時を祝福してくれているような気がするの
そう、やっと。
やっとなのよ…
ずぅっと此の時を待っていたの
此の醜い
私利私欲の権化である
人間達に
解放される此の時を。
早く、はやく
あの屋敷に帰りたい
あの人達に
会いたい………
屋敷内で見つけた大きなバッグに大切なものをそっと入れ込んで
大雨の中、外に飛び出し
自由を手にした