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□君と水泡隠れ
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・・・自分がハルの事が手に取るように分かるように
ハルも俺の事が良くわかる・・・
・・・・嘘を吐いて誤魔化しても、きっと分かってしまう
・・なら・・・・・

「・・・ハル ・・・俺は・・欲張りなんだ・・」
「・・・? ・・・真琴がか?」
真琴が誤魔化す為に言った言葉と思ったのか、
遙の表情が曇り苦笑する。
「ハル こんな事・・・言っちゃ駄目だってわかってるんだ・・
それでも・・・ハルが凛に心を動かされるのを
見ているのは・・・嫌なんだ・・・」
ようやく吐き出した真琴の言葉に、遙はただ眉を寄せる。
「・・・・・・言ってる意味が良くわからない・・真琴・・
・・・・凛にライバル心を持つ事は良くないって意味か?」
「えっ? いや・・・ライバルとかじゃなくて・・・
あー 何て言えば・・・ うーん・・・」
真琴の説明に遙は益々訳がわからなくなり、
更に困った顔になっている。
「・・・真琴 分からない はっきり言え」
遙にじっと見つめられ、真琴は覚悟を決めてポツリと洩らす。
「ハルは 凛のこと・・・ 好き?」
「? 凛? 好き? えっ?どうだろう・・・?
特別に考えた事ないけど・・・
好きか嫌いかに分類すれば良いのか?」

・・・何か遙の返答が思っていたのと・・違う
・・もしかして ・・俺の勘違いか?・・

その考えに、もやもやした気持ちはストンとなくなり、
後に残ったのは恥ずかしさだけだった。
「あー ごめんハル・・ 俺のたぶん勘違い・・」
「勘違い? 何を勘違いしたんだ?」
「・・・・ハル! そろそろ練習に行こう!
渚も怜も待ちくたびれてるから・・ね?」
何とか誤魔化そうとニコリと笑うが、
遙の手は真琴の腕を掴み、
離さずにじっと真琴を見つめ続けている。

・・・これは絶対に誤魔化されてくれないな・・
真琴は自分の勘違いに、顔を赤くしながら
とりあえず遙に謝る事にした。
「・・・ごめん ・・ハルは凛の事が・・
その・・ 恋愛感情で好きなのかと・・・」
「!!! は? なんで!?」
遙は真琴の言葉に驚き、そして嫌な顔をしてため息を吐くと、
深く息を吸い込んで、真琴の頬を両手でペシリと叩き、
そしてそのまま顔を近づけ、
真琴の唇に自分の唇を寄せ、軽く唇を合わせきた。

「・・・何で 勘違いするかな・・・ずっと傍にいたのに・・・
俺は、真琴の気持ちを読み間違えたりしないのに・・・」
僅かに頬を赤く染めながら、遙は笑顔を見せ、
もう一度真琴の唇にキスをおとした。
「な? 合ってるだろ?」
「うん でも夢を見てるみたい・・・
俺から確かめていい?」

頷く遙に、今度は真琴から遙の唇にキスを仕掛ける。
「んっ・・・」
「好き・・・ ハル・・・ 本当に大好き・・」

キスをしながら遙をきつく抱きしめ、
腕の中の身体にこれは現実なんだと、真琴は幸せを噛み締める。

強く抱きしめる真琴に遙の腕が、真琴の背を抱き締め返して、
それに答えるように真琴は、もう一度遙に口づけた。

・・・・大好き その気持ちを込めて・・・
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