キューティクル探偵因幡

□過去拍手SS
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 〜魔法の手 荻因編〜

これは、初めて荻の寝癖の髪のひどさを認識した日の話。

「うわー!! 荻! お前、仮眠を取ったくらいで
髪の毛 そこまでひどくなるのか・・・!?」
仕事の合間に取った仮眠の後に見た荻の髪は
なんとも凄い状態に変貌している。

・・・こんなに酷くなるなら、崩されたくない気持ちも ちょっと分かるかも・・・
・・・・すげー直すの大変そう・・・
「はぁー 直す時間ないし・・・ 仕方がない・・・」
「・・・仕方がないって まさかそのまま外に出るのか?」
「・・・どうしようもないからな」
「俺! 俺に直させろ! 直ぐに直してやるから!!」
「? ・・ムリだろ 毎朝直すのに1時間25分も掛かってんだぞ」

諦め顔の荻を説得して、30分で何とか元の髪型に戻してやると、
驚きを隠せずにテンションの高い荻に手を取られ握られた。

「洋!! 凄いなお前!!
今までこんな時間で直せた事なかったぞ!!
本当に凄い!! 洋の手は魔法の手だな!!!」
嬉しそうな荻に洋も嬉しくなった。
「荻! 仮眠の後は、これからは何時でも俺が直してやるからな!」
舌なめずりしそうな洋の顔に、荻は複雑そうな顔をして笑った。
「・・・ま、まぁ ・・・よろしく頼むよ・・」

そしてボソリと一言、荻は洋に聞こえてると思わず言ったのだろうが、
しっかり聴覚の良い洋には聞こえてしまった。

「・・・・・・・仮眠 なるべく止めとこう」

「・・・荻 ひ、ひどい・・ 折角直してやるって言ってるのに・・」
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