キューティクル探偵因幡

□過去拍手SS
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 〜七夕 荻因編〜


「よう洋 他の奴等は? もう帰ったのか?」
事務所に入ってくるなり、荻はソファに座っている洋に声をかけてくる。
「ああ、今帰ったとこだけど なに?何かあいつらに用か?」
「いや いないから聞いただけだけど」

そのまま、荻はソファの方へ向かおうとした足を止め、
窓辺に置かれた笹飾りに目を止める。

「七夕 飾ったのか?」
「この間、依頼人に貰ったんだ お前もついでに短冊に書いてけよ ほらっ」
手渡された短冊に、荻はとりあえあえず今の願い事を書いていく。

願い事を書いた短冊を持って笹飾りに近づくと、
それぞれの願い事が読める。

「自給アップ!」 「先生が僕の思いを・・・」 「猫アレルギーが治りますように」
「遥が昔みたいな良い子にもどりますように」

誰がどれを書いたか丸分かりだな・・・

微笑ましく次の短冊に目を向ける。
「荻さん 抹殺!」
その短冊を書いた人物に軽く殺意を覚えるが、無視して自分の短冊を飾ろうとする。

その時、隣の短冊が目に入るが、荻はわざとらしく目を背け見なかった事にする。

「何だよ お前の短冊! こんなの書かなくたって
俺達ががんばってんだぞ すぐ叶うよ」
いつのまにか隣に来ていた洋に短冊を覗かれ笑顔を向けられる。

書いた願いは「ヤギ逮捕」

「それより、隣の短冊見て何か一言ねーの?
お前がその気になってくれればすぐ叶う願いなのにな〜」
「・・俺は見てない」
「・・いや! さっき見てた!!」
「・・何も見てない!」
「む〜 分かった!じゃあ読んでやる!
相棒の髪の毛をもっとさわれますように!」
「・・・・・聞こえない!!」
「あ!い!ぼ!う!の!〜」
「き!こ!え!な!い!!」
「!!! 荻のバカ〜!!! ケチ!!ケチ!!ケチ毛〜!!!」
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