世界一初恋

□西風と夫婦喧嘩は夕限り
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週末、いつものように桐嶋宅で横澤は過ごしている。
いつもと少し違うのは、日和が出掛けている事も手伝って、
昼間から桐嶋のベットの上に、桐嶋と二人で座って寛いでいる事ぐらいか・・

桐嶋に発売されたジャプンの感想を聞かせてと頼まれ、
横澤が桐嶋の部屋に入ったのは、つい先程の事だ。
「俺 もう読んでるから、わざわざ読み直さくても感想は言えるぞ」
「うん 知ってる ・・でも読者の反応を生で見たいし
・・・まあ、いいじゃねーか」
「? ・・・・・・まぁ そういう事なら ・・別に」

桐嶋がベットの上にに放り投げた最新号のジャプンを読もうと、
手を伸ばしたその横澤の腕を桐嶋はがっちりと掴み、
そしてベットの上に横澤を引っ張り上げた。
「なっ、何だよ」
「ん? ここのほうが下に座るよりも楽だろ?」
ニコニコと笑顔を見せられ、
横澤は桐嶋の隣にそのまま座らせられたが、
こんな事で一々過剰に反応していては、桐嶋を喜ばせるだけだと開き直り
そのまま隣で桐嶋の担当している「ザ☆漢」を読み始めた。

・・・・うん やっぱり面白い!
先の展開が読めないから、次号も読みたくなる内容だな・・・

漫画の内容に惹き込まれ、横澤が読み耽っていると、
それまで隣で大人しく一緒にジャプンを見ていた桐嶋の腕が
横澤の後ろから肩越しにゆったりとまわされてきた。
「! おいっ!!」
読書を邪魔され文句を言おうとした横澤に、しかし桐嶋がしみじみと呟いた。
「・・・・・・お前が営業で ・・良かった」
「・・えっ?」
仕事の面ではとても尊敬している、社内随一のヒットメーカーの桐嶋に
そんな言葉をかけられるとは思ってもいなかった横澤は
不覚にも感動してしてしまい、目頭が熱くなってしまった。

「・・・・桐嶋さ」
「営業ならスーツ着用だしな」
感激していた横澤は、桐嶋の訳が分からないセリフに頭の中は疑問符だらけだ。
「?????? スーツ?」
「だって お前何だよ! この綺麗な生足は!!」
そう言って桐嶋は横澤の足を撫で上げる。
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