世界一初恋

□走る 心ノ音
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荒れに荒れた会議がやっと終わり、
気力も体力も削り取られた横澤は、
少し休んでから部署に戻ろうと喫煙室に足をむけた。

喫煙室に入ると、そこには数人の社員がすでに一服しながら、
話に花を咲かせている。

「あっ、横澤さん 横澤さんも休憩ですか?」

その中にいた一人、ジャプン編集の加藤が横澤が入ってきた事に気がついて
親しげに話しかけてきた。

桐嶋と親しくなってから、ジャプン編集者の面々には、顔を合わせると親しげに話しかけられることが多くなった。

なんか これは動物好きの人が「動物が好きな人に悪い人はいない」って言うのと一緒で、
ジャプンの人達って「桐嶋さんの親しい人は自分たちも仲良くしよう」とかなのか?
・・・まあ、親しい人が増えるのは良いことだ・・・

その後は、ついでに、今度のフェアーの仕事の話などをしていたが、
気がつくと喫煙室には自分と加藤の二人だけになっていた。
その事に加藤も気づいたようで、キョロキョロと辺りを見渡し始めて
あきらかに挙動不審な態度だ。

「おいっ どうした?」

しばらく、考えこんでいた加藤は意を決したように横澤をじっと見つめた。

「あ、あの横澤さん・・・ ちょっと聞きたい事があるんですけど、時間まだ平気ですか?」
二人しかいないのに、やけに声を潜める加藤を不振に思いつつも、
やけに深刻な様子にダメとは言えず、話を促すことにした。

「ああ なんだ?」
「あの 横澤さんって 高野さんと仲がよかったですよね?」

深刻な様子から、内心 桐嶋の事でなんかばれたのかとドキドキしていたが
政宗のことと分りとりあえず胸をなでおろそうとしたした矢先
次の加藤の質問で、冷や水を掛けられたように固まってしまった。

「あの・・・ 高野さんってそっちの趣味がある人なんですか?」
「えっ?」

な、なんだ?・・・ あいつ社内で小野寺といちゃついてる所、こいつに見られたのか???

横澤の内心の動揺に気づかず、さらに声を潜め加藤は続ける。
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