死神

□◇ 一重 ◇
1ページ/1ページ



 魂の送られる場所
 ──ソウル・ソサエティ──
 流魂街で出会った二人。


 まだ幼くあった二人は身を寄せ合うよう家族として過ごした。

 姉と弟。
 それでいて他人。
 だけど最も深く分かりあえる自身の半身。
 


 治安がいいとは言えぬこの街で──


 昨日まで生きてこれた……
 明日は死ぬかも知れない……



 自分を守る以上に相手を守ろうと必死だった。

 決して失わぬよう、力を求めた。



 二人の強い霊力が認められ、中央へ呼ばれた日。
 ほんの少しの荷物をまとめ住み慣れた家を後にする。
 繋いだ手をしっかり握って歩き出した。


 愛着がまったく無い訳でもなかった。
 でも、
 これまで過した街を振り返らなかった。


 
 今、手の中にある
 この温もりが自分のある場所だから。




 己よりも大切に思う互いに
 少しのキズが生まれたのは
 何時だったのか──
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ