死神
□◇ 一重 ◇
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魂の送られる場所
──ソウル・ソサエティ──
流魂街で出会った二人。
まだ幼くあった二人は身を寄せ合うよう家族として過ごした。
姉と弟。
それでいて他人。
だけど最も深く分かりあえる自身の半身。
治安がいいとは言えぬこの街で──
昨日まで生きてこれた……
明日は死ぬかも知れない……
自分を守る以上に相手を守ろうと必死だった。
決して失わぬよう、力を求めた。
二人の強い霊力が認められ、中央へ呼ばれた日。
ほんの少しの荷物をまとめ住み慣れた家を後にする。
繋いだ手をしっかり握って歩き出した。
愛着がまったく無い訳でもなかった。
でも、
これまで過した街を振り返らなかった。
今、手の中にある
この温もりが自分のある場所だから。
己よりも大切に思う互いに
少しのキズが生まれたのは
何時だったのか──