【 痛ミ分ケノ声 】
□赤子。
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夢の中であなたが言う
私の子
私の肉を貰い、お腹に宿る命が
“ママ”と私呼ぶ
“苦しい、息が出来ない、声が出ない、泣けない”と
ごめんね。
聞こえないふりをして耳を塞いで
見えないふりをして目を背けて
私はアナタの命を殺した。
苦しかったでしょ?生きたかったでしょ?
アナタを抱きしめたかった。
出て、泣いて息をするアナタを抱きしめたかった。
もうそれは叶わない願い
今日もアナタは私を呼ぶ。
“ママ、助けて”と
えぐられるお腹の痛みを押さえて
私は涙を流すだけ。
大丈夫・・・私はもう人を愛さないから
この肉で新たな命を作らないから
安らかに眠って
天使のような顔で
小さな手で、小さな足で、小さな寝息で
そして
私を“ママ”とヨバナイデ