真田邸書庫

□竜昇り、焔立つ(幸政)
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このまま時が止まればいいと

お互い感じていた



「伊達政宗殿、よく真田幸村を捕えた。一気に打ち込め!!」


徳川側の武将が偶然二人を見かけ、政宗が幸村を捕えていると勘違いし、率いる鉄砲隊を幸村に向けた。


「なっ・・・!?」

突然の出来事で幸村と政宗は動揺を隠しきれない。幸村は敵側である政宗を一切疑わなかった。
寧ろ政宗を守るようにキツク抱きしめた。


「射てーっ!!!」

徳川の武将が鉄砲隊に命令を下した。

大量の鉛玉が幸村を襲う。その瞬間


政宗が幸村の前に立ちはだかる。

「政宗殿っ!!」

政宗は幸村の方へ向くとニコリと笑みをこぼす。




大量の弾丸が政宗の身体を貫いた。
政宗の身体から血液がドクドクと流れていく。
政宗は片膝を附き、血反吐を沢山吐いた。
幸村は政宗を支えるように肩を抱く。


「政宗殿・・・どうしてっ・・・」

口から血が流れている政宗は気管支の中に血が入ったのか、苦しげな声で答えた。


「愛する・・・者を・・・命懸けで護った・・・だけだ・・・怪我はないか・・・幸・・・村・・・?」

自分よりも他人に気を遣う。今にも息絶えそうな感じな政宗が。

「私の事はいい。それより政宗殿が・・・!!」
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