真田邸書庫
□年末年始衝動(幸政)
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「知ってるか、年越しから年明けに掛けて結ばれた二人は幸せが続くと言う話」
間もなく新年を迎えようとしていた頃、米沢城で政宗は幸村に近寄り、唐突に話し掛けた。幸村は一瞬後退りした。
「何ですか、いきなり」
「綱元から聞いた話をそのまま言ったまでだ」
綱元殿は変わった話を知ってる方だなあと感心しつつ、政宗の話を聞いた。
「ということで、だ。やってはみぬか」
ただジーッと幸村を真直ぐ見つめる政宗に幸村は顔が赤くなる。
「えっ、えええっ!?ちょっ・・・ちょっとお待ちくだされ」
昂ぶる気持ちを押さえつつ幸村は一時戸惑った。
「何か不満でも有るのか」
「不満ではござらん、が、私は政宗殿の身体が心配で・・・」
政宗はプクーッと頬を膨らませた。
今まで何度も幸村と身体を重ねているから、その辺に関しては慣れてしまっている。
しかし、何度も何度も幸村は自分の身体を心配する。心配してくれるのは嬉しいが、心配し過ぎだと常日頃から政宗は思っていた。
「ワシを未だに子供扱いか、まるで小十郎だな」
「それほど政宗殿の事が大事なんですよ」