真田邸書庫
□無知の悪戯(幸政)
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青葉城に泊まりに来た幸村。
日没の刻、客間で寛いでいると、ドタドタと大きい音が近づいていく。
「何かあったのかな」
幸村は立ち上がり、客間の襖を開けた瞬間、政宗が大量の書物を持って形相を変えて走ってきた。
しかも幸村に向かって。
「政宗殿、どうかなされた?」
いつもと違う政宗に心配そうに声をかける幸村。
すると、政宗は幸村の姿が近づくと、勢い良く立ち止まる。
政宗の息が荒々しい。
「あっ・・・幸村か・・・ちょうどよい。暫し時間いいか?」
「は・・・はい、構いませんが・・・?本当にどうなされた?」
政宗は荒くなった息を整える。
「部屋に入ってからゆっくり話す」
すると、政宗は幸村が滞在している客間に半ば強引に入り、襖をピシャリと閉める。
「これなら誰にも見られまい」
幸村は首を傾げる。
私に相談かな?と思い込みながら。
政宗は大量の書物を床に置き、急に畏まる。
「幸村、折り入って教えてほしいことがある。聞いてくれるか」
「急に畏まられて、どうなされた?」
政宗は両手を書物の上につく。
「子の作り方を教えてほしい」
・・・・・・えっ・・・・・・
えええええっ!?
幸村の顔が真っ赤になった。