真田邸書庫

□極秘情事(幸政)
1ページ/4ページ




「政宗様ー!!」



小十郎がいつもの執務で政宗を呼んでいた。しかし、部屋に入ると政宗の姿が無い。


「政宗様、何処ですかー?」

小十郎は青葉城内をくまなく探してみても政宗が見つからない。


「まさか・・・外に出たとか?いや、政宗様は外に出るとき私に一言かけるのですが・・・」



小十郎は深く考える。不安になると、被害妄想が出て来てしまうもの。


「まさか・・・政宗様は何者かに誘拐されたとか・・・」




その頃、政宗は

青葉城を出て城下町に飛び出していた。仕事に逃げたらしい。

「小十郎はちっとも休ませくれんから、たまにハメ外して羽伸ばしてもいいだろ」


政宗は久しぶりの外の空気に心踊らせて走った。満面の笑みを浮かべながら。


すると政宗の視界に見覚えのある人影を見かける



「あいつは・・・まさか・・・」

政宗は人影に向かって走った。その人影を確かめるために。


「幸村ッ!!幸村ではないか」

その人影は聞き覚えある声がする方へ向いた。


「政宗・・・殿か?」


思わず政宗は幸村の体にしがみつく。幸村は顔が真っ赤になる。


「どうして此処に来ておるのだ?」

「いや、政宗殿がいる米沢ってどんな所か足を運んだだけだけど」

城下町見物か・・・信濃からわざわざご苦労なこったな。

「じゃあ、長旅で疲れておろう?何処か休もうか」

幸村は首を横に振る。

「いや、すぐ此処を出るから」


折角会えたのにすぐ別れるのなんて嫌だ。

政宗は幸村の手をグッと掴む。しかも強く。


「ワシは幸村とこうして偶然会えたのが嬉しいのだが、すぐ別れるなんて、嫌だ。もう少し此処にいろ」

幸村は困惑する。政宗が珍しく誘ってきてるのに断るなんて申し訳が立たない。
「・・・じゃあ、お言葉に甘えてもらうかな」


政宗は嬉しさのあまり幸村に抱きつく。

「よかった。じゃああそこで休ませてもらうか」


えっ、あそこって・・・


「いいからついて来い」


政宗は幸村の手を引っ張りとある建物の中に入る。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ