デスノート小説

□もしもキラであったなら(エルパパ
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もしもライトがキラであったのなら、私はどうすればいいのだろう。
「夜神さん?」
「……竜崎、息子がキラである可能性は?」
「まあ五パーセント」
 聞くたび変ってくる、息子への疑惑、どうしよう、と私は考える。
 息子がそんなことをするはずがない。と私が思うと、竜崎が少しおかしげに笑う。
「何がおかしい?」
「いや……夜神さんの真剣な顔ってライト君に似ていると思いまして」
 彼も私の息子くらいの年令だが、考えていることが本当によくわからない。
 私はホテルの一室で彼と向かい合って話し合っていた。
 だけれども彼のことはよくわからない。
 ライトのこともこの頃よくわからなくなりつつある。
「ライト君がキラであるかどうかは、これからわかります」
 キラであってほしくない、私は息子を信じたい。
 私はライトを今監視している。彼には尾行もつけられている。愛しい息子を信じられない、ということはとても辛く切ないことだった。
「そう緊張しないで下さい」
 にっこり、とエルが笑う、しかし笑っている彼を見るとこの頃イライラする。
「竜崎」
「……本当にライト君によく似ている」
 にっこり、とまたエルが笑う、そして彼は立ち上がる。
 眉間に皺を寄せる私に近付いてきた。
 そして彼は私の耳朶に唇を寄せて、小さい声で囁いてきた。
「……ライト君って可愛いですよね」
「は?」
「……ライト君は夜神さんにとって可愛い息子さんですよね、といいたかったのです」
 言い直すエル、しかし本当によくわからない。
 ドーナツを前に死ぬほど並べて食べる少年。
 うちのライトは甘いものが嫌いだ。同じ男の子でもライトと対照的なのがエルだ。と私は思った。
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