デスノート小説

□咬傷
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煌々と蛍光灯に照すようセッティングされたベッドに、寝乱れたシーツと衣服が散乱する。
職業柄、捜査では活発に論議や答弁は行うこともあるが、暗躍を好むL(私立探偵)は、基本的にプライベートまで饒舌ではない。


引き寄せられ粗暴な扱いでも、強張る身体を戦慄かせ乾く口唇を噛み締め寡黙に徹する。
混沌な重圧が、より募る鬱積がLに言葉を詰まらせた。

規律よく配置された肋骨を月に数えられ、僅かな肉質の感触を辿って胸板に這わされる。
大きく作製された健康的な掌で揶揄るように悪戯を仕掛けては、Lを仰視し軽く肩を竦めておどけてみせた。
だが凄絶に双眸は哂い―――――――――
触れれば消失するほどの熱の根源―――――――――
異常な強固な力での拘束―――――――――明らかに彼の清廉なイメージを裏切り、組み敷き足元に跪かせる強要に沈痛が走る。
戯れや、からかいの類はない、鬱血した前腕の痕で呵責を知った。


ベッドの最端に略奪者と変貌した月は腰を落ち着け、Lは膝まづき互いに対座する。
衣服を纏う状態からも想像できる存分に成長した四肢に精悍な肉体。
尊大な態度で当然と捻じ伏せる月の体躯を、羨むでもなく淡々と比較して洞察していた。
自身は痛々しいほど痩躯とはいえ、硬く柔軟性の欠けた男性の肉体。
だが、ヒシヒシとつ伝わる不穏なオーラは同性を安易に捻じ伏せる優越感からか征服欲からか―――――――――
薄手のアンティークレザーの真鍮の輝きを放つ留め金は、やや性急に引き抜く月の手で乱暴にジッパーが引き下ろせして囁いた。
自らの手で寛がした股間を、Lに見せつけ触れさせる。
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