†小説†

□D.Gray-man(1
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「どうしてですか?神田」
「うるせぇ、黙ってろモヤシ。」

 全く、何故彼はこうなのだろう?

「何度も言ってますけど、神田。僕はアレンです。モヤシじゃありません。」
「テメェなんかモヤシで十分だ。」
 ピシャリ。言い切られてしまった。
(はぁ…。何故神田は僕のこと、名前で呼んでくれないのでしょうか…)
「僕、もうここに来て長いですよ…?ラビはよくて僕は駄目なんですか…?」
 これは軽い本音。そして、少しの嫉妬。
(僕も”ユウ”って呼びたいんですけどねぇ)
 そんなことを思っているアレンの顔には不満が出ているらしく、神田は軽く鼻で笑った。
「フンッ、どうしたよモヤシ?言っとくが、俺はお前のこと名前で呼ぶ気はねぇぞ?」
「なっ、何故ですか、神田っ!?」
 スッと、神田が瞳を細める。
「やっぱり、お前はまだ甘いな・・。他人に答えを求めるうちは俺名前で呼んでもらえないと思え。」
 それは暗に、『呼んで欲しければそれなりの行動をしろ』、と訴えているのだった。

 そして、『死ぬ者に用はない』、とも…。

(あぁ…。やっぱり可愛いですね、神田…。神田は、弱いんだ。……孤独に、弱いから…。)

「大丈夫ですよ、神田!!神田は僕が責任をとって守りますから!!」
「はぁ?お前、頭大丈夫か?」

(大丈夫ですよ、神田。君を一人にはしませんから)

「だから、その時は名前で呼び合いましょう?」

(神田の為に、まだ死ねませんね…)

そう、彼に”ココロ”をひらいてもらうまで…。






End…
 

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