NOVEL〜long〜

すれ違い3
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 俺がりっちゃんに身体の関係をやめたいと告げた日から2週間が立っていた。 あれからりっちゃんとは会っていない。顔すら会わしていない。

 自分から終わりを告げたくせに、顔すら見れないことを後悔している。
 少し目を閉じれば浮かんでくるのはりっちゃんの顔で、俺の身体に触れた暖かい感触が忘れられない。りっちゃんに会いたい・・・ よく考えたら、こんなに長く会ってないことは初めてかもしれない。俺が物心付いた頃には当然のように隣にいて、どんなことがあっても笑って傍に居てくれた。

「身体だけじゃなく気持ちまで欲しいなんて、ワガママだったのかな・・・」

 ベットに仰向けになって、ぼそっと声に出して呟いた。
 瞳から、ひとつ、またひとつと涙がこぼれていった。
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