03/31の日記

21:02
気分転換にDOD
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いつか、我が小国がまだ平らかであった日々。両親は健在でフリアエにも御印が出ていなかった頃、イウヴァルトとフリアエと三人でよく遊んだものだった。
城には子供が少なく、遊び相手もイウくらいしかいなかったものだから、フリアエはいつも自分と一緒にいた。過去を思い起こせばいつだってそこにはフリアエの笑顔があった。


ひゅうと風を裂いて突き出した槍をそのまま上方に振り上げる、すぐに槍を戻して再び突き出す。その行程を目にも留まらぬ速さで繰り出し、数歩間合いを取って槍を振るう。カイムは槍の穂先に付いた血痕が跳ねるのも気にすることなく、構えた。
(やっぱり兄さんはすごい!お父様がね、たくさん誉めてらしたの!兄さんの剣を!)
鋭い鎌の様な波動を無数に受け、後方に飛ばされる。強かに背中を打ちつけるが契約者たるカイムにとってどうということもない。ついに槍がぼきりと折れてしまったが、別の武器を取ればいいだけの事。上空でドラゴンが気忙しげに吼え猛るのを聞いた。軽く笑んで、ずるりと禍々しい気を放つ刀を携える。
(イウがね、悔しがってた。どうやっても兄さんに勝てないって!ふふ、イウじゃ無理よね、なんて言ったって私の兄さんだもの)
羽ばたきと共に飛来する刃を、ドラゴンが片っ端からブレスで破壊する。ちらりと上空の赤い姿を見遣って、カイムは走り抜けた。不気味なほど手に馴染む妖刀を振るい、神々しいまでに白い翼を両断する。痛みのためか、血走った目を見開いて、それは絶叫した。耳を覆いたくなるほど恐ろしげな悲鳴だ。
(今から剣のお稽古なの?ねぇ、側で見てていい?)
(兄さん見て!イウがくれたのよ、この首飾り。どう、似合う?)
空に浮く手段を失ったそれは、地に臥して惨めにもがいている。滅茶苦茶に振り回される触手を一本ずつ切り捨てながら、カイムはソレの本体に近づいていった。白い裸身が泥と血に汚れている。腕は無い、羽と一緒に斬り捨てた。
(兄さん、これあげる!私とお揃いなの。大切にして)
(あのドレス?捨てちゃった。だって、兄さんあの色嫌いだったでしょう)
(私は兄さんが大好きよ。兄さんは?)
とうとう攻撃の手段を失ったそれは首と胴以外にはまともに残されていなかった。ゆっくりと近寄り、その首に剣を突きつける。
きょろりと動いた目玉がカイムを捉える。奇怪な音しか奏でるはずのない喉が震える。

「私を…見ないで…」

ぶつりとそれの首を斬る。噴水のように噴きだす血を浴びながら、カイムはただ妹の面影の残る化け物を見ていた。
幾体殺しても減る様子の無い化け物。カイムは今までに何人妹を殺したか忘れてしまった。分かるのは、彼女達が死ぬ間際には、一様に同じ言葉を吐くという事実だけ。




気分転換に書くものでもないな、と思った。
何故DOD。何故ギョロアエ。でも後悔はしてねっす。
妹は段々兄への思慕が狂気染みてたらいいな!
兄が嫌いだっつった色の服全部切り刻んで捨てるとか!

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