12/01の日記

04:13
たまにはセフィクラ…あれ?
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もっと、もっと強くなれば
強くなりさえすれば、きっとあの人は


最初は憧れだった。次に目標。あの人のように強く、強く強く強く。強さをひたすら求めて、辿りついたのは執着。あの人のようになりたい、あの人に追いつきたい、あの人に認められたい。自分の強さを求める欲求の側には必ずあの人がいた。あの人が自分の強さの源泉だったから。
届かない、いくら手を伸ばしてもまだ足りない。
来る日も来る日もがむしゃらに手を伸ばした。どれだけ走っても追いつかない、どれだけ強くなれば、どれだけ強くなればアンタは俺を認めてくれる?
強さを欲した。ひたすらに走って、斬って、追いかけて。追いかけることが目標になって、直に俺は一体何を見ているのか分からなくなって。

「      」

銀色が脳を掠める。憧れていた、尊敬していた、目標としていた。そうさ、俺はアンタのことばかり考えていたよセフィロス。どんな時も、何をしていても、アンタの強さを思わない時は無かったさ。アンタが俺の村を焼き、母親を殺した時だって。
憎い、アンタの全てを壊してやりたかった。復讐だ、かつて憧れたアンタの強さが今は憎い。この憎しみが俺を強くしてくれるというのなら自意識なんて喜んで手放した。全ては強くなるため、強くなってアンタを壊すため。結局どこまでいっても俺の中の強さとアンタは結びついているんだ。いい加減うんざりするよ。

「      」

後ろから斬りかかる事に何の躊躇いもなかった。ティファを、ザックスを、母を、村を、すべて無情に切り捨てたのは誰だ?そんなことを考えたら体は勝手に動いた。ああそうだ、そこで首を切り落とさなかったのは俺の甘さだ。認めるよ。もうこんな失敗はしない。
正面からやりあって勝てる相手じゃなかった。それでも、アンタがそっぽを向いている間俺はひたすら強さを求めていたんだ、不意をつけばいくらでもやりようはあった。
正直、俺は強くなることが全てであったため死への恐れはこれっぽっちも無かったといって良い。ティファへの申し訳なさはあったが、それでも俺はセフィロスに認められ、彼を壊すことができればそれで良かった。それだけで良かったんだ。アンタが笑いながら落ちていった時、おれ自身の何かも一緒に抜け落ちた。そこからの記憶はもう無いよ、あとはずぅっと星の夢を見ていただけ。

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