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酒は飲んでも飲まれるな
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酒は飲んでも飲まれるなって言葉は聴いたことがあるが…。

「ばぁーんたぁーん!」

実際に酒に飲まれた奴なんて初めてみた…。

「おれねー蛮たんのこにょだいしゅきだよー!」
「はいはい俺も愛してるぜ。」

首に巻きつかれた腕の隙間から床を見れば空になって転がっているチューハイの缶一本。

どんだけ弱いんだコイツ…。

しかしこの距離はまずい。

一応俺も酒飲んでいるせいか、身体の熱が回るのが早い。このままこの距離で居れば遅かれ早かれ襲ってしまう自信がある。

「こら、離れろ。」
「ん〜ん〜!!」

落ち着きを取り戻そうと、軽く距離を取るため肩を掴むとイヤイヤと首を横に振りながら首に回した腕に力を込めてくる。

しまいには甘えるようにグリグリと頭を押し付けてきやがった。

正直可愛い…。可愛すぎるといっとも過言じゃねぇ。

沸点へ一気に近くなった。

「蛮たぁん…。」

しかも呂律の回らない言葉は幼さを醸し出し、かなりクる。

「いちゅもみたいにぎゅーってして?」
「…………」

…ひとつ言っておくが俺は別にショ●コンじゃねぇからな。

これは銀次だから反応するんだ。

というか大体なんで俺が我慢する必要がある。

誘ってんのは他でもない銀次じゃねぇか。なら俺が我慢する必要はねぇだろ。

「…銀次。」
「ん〜?」

名前を呼んでみると銀次は微笑みながら首を傾げてくる。

今からこの微笑が快楽に溺れると思うと腰が疼く。

「なんも考えられなくなるぐらい溺れさせてやるよ…。」

はっ…俺も飲まれちまったもんだな…。

END
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