死神の手帳(デスノート)

□死者の葬列
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「死者の葬列がいくよ」
 死神たちの葬列が目の前にちらつく。夢の中でさえお父さんとお母さんは死んでいたの。
「ミサ?」
「レム、お父さんとお母さんは何処?」
「何処にもいない」
 レムが答えたわ。何処にもいないのよ。お父さんもお母さんも死んでしまったの。
 夢の中でさえいないの、お父さん、お母さん、そしてライトもいないのよ。
 葬列が目の前にちらつく。いつもいつも夢に見るの。
 寿命って誰が決めるのかしら?
 お父さんとお母さんに会いたい。
「お父さん、お母さん」
 目の前に見えるは朱、世界は血だらけ。
 真紅が辺りを支配していた。
「貴方はだあれ?」
 一人ぼっちになったミサの前に現われたのは天使ならぬ死神、それはレム。
 レムダイスキダヨ、ミサは一人ぼっちじゃないもん、レムがいる限り。
「……世界は血だらけ」
 キラ様のお陰で世界は白の変わるの。
 夢の中でも死者の葬列が行くの。よい人たちが死んでいくの。
 そんなことミサがさせない。
 ミサもキラになる。
 キラに会いたい、会いたい、会いたい、キラに会いたい。
 レムに出会ったばかりのミサはそれだけしか考えてなかったの。
 
「貴方はだあれ?」
 空を見上げると、天使ではない――死神がいた。
 彼はにこりと笑ってこういった。
「君に会いに来た死神だ、レムという」と。
 にっこり、という表現は少し違うかも、と思うけど、ミサはこの時のレムの笑みが好きだったの。
 だってお父さんの笑みと少し似ていたから。
「……レム、っていうの?」
「ああそうだ」
「いい名前ね」
 私は青い空に翼広げ降臨した死神に笑いかけた。
 少しびっくりしたけど、でもレムはとっても優しい笑みをしていたから……レムをミサ大好きになったの。
「ミサ、君に贈りものを持ってきた」
 レムはとっても優しい声でこういったの。
 それが黒いノートだった。
 
 
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