幻想水滸伝2・TK
□★深夜の訪問者(後)[8P/R18]
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怒りが湧いて来た。
何でこんなに振り回されなきゃいけない?
睨むように鋭い視線を向けてみれば困ったように頭を掻くビクトールが居て。
「好きだって言っただろうが、フリック」
「…聞いてねぇよ」
「そうだったか?がははは」
…は?
超特急型阿呆。
酔った勢いで無理矢理押し倒して、こっちの気持ちはまるで無視。
この脳筋馬鹿力熊!
怒りが沸々。
「離せ、馬鹿力」
「逃げるんだろ?」
「……ッ」
逃げさせろ!
どうすればいいのか分からないんだよ!
なんて、振り払おうとすれば突然腕を引かれ、よろめいてビクトールに抱き留められる。離れようと腕を突っ張ねれば腕を引き剥がして抱き締められて、顔を上げ睨む視線をあやすように優し気な笑みが降る。
だから、
少しは人目を気にしろ。
「好きだ」
「時と場合を考え…んぅ…ッ」
キス、された。
不意打ちに驚いて目を見開き、完全に思考回路停止。抵抗するのも忘れた。
だから、
こっちの気持ちは無視か?
あり得…ない。
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