★オリジナル小説★

□白黒-壱-始まりはいつも突然に
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椎名千が碕澤高校を卒業し、憧れの女子大生となってから早くも三ヶ月が経とうとしている。
学校にもなれ、仲の良い友達もできた。
ここ碕澤大学は、碕澤高校、碕澤中学を付属校として経営している。
そのため、千のようにエスカレーターで入学してきた生徒が多い。
そんな生徒たちは、元からの友人とばかりいるためか、他の生徒との交流があまりなかった。
そんな中、千は類稀なる社交性によって、次々に友達を作っていった。
授業に明け暮れる忙しい日々を送ってはいたものの、毎日はそれなりに充実したものだった。

「ねぇ、千、今日帰りにアイス食べて帰らない?」
「あー、ごめん。今日はちょっと。」

そう言うと、千は机に置いていたバッグを肩に掛けた。

「あんた、また高校?」

友人の一人が呆れたようにたずねる。
そんな友人の顔を苦情混じりに見ながら、千はうなずく。

「また高校まで行ってきます。というわけなんで、また今度誘ってください。では!」

友人二人にそう言い残すと、千はばたばたと教室を後にした。
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