+贈物+

□青空(3333HIT)
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 山本はよく雲雀の部屋を訪れた。それは山本にとっては恋人同士の至極当然の触れ合いで、しかし雲雀にとっては鬱陶しい行動であった。
 昨日もそう。

「ひばり、見て見て」
「……何」

 読書中だった雲雀は忌々しげに視線を移す。山本は無邪気な笑みを浮かべていた。

「空、めちゃめちゃきれい」
「だから何」
「きれいだろ?」
「変わらないよ」
「えー。空の色って見るたび違うんだぜ」
「……空を見てる余裕なんてないよ」
「ひばり……小姑みたい」
「君、意味わかってないだろ?」

 そうして少しの沈黙。
 山本はしばらくじっと空を見つめて、それからどことなく真剣に告げた。

「……帰ろうな、今度」
「……?」
「一緒に日本にさ。…また、日本の空、見よう」


 
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