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□お年頃【謙光】R-15
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「このアホ、ドアホっ!!えぇ加減にせぇ」
財前が急に大声で怒鳴り始めた。
それに気を取られて一瞬腕の力を緩めた俺が悪かった。
いつもと違う気がする。
そう、いつもの怒り方やない
「ホンマのアホや、もう堪忍できひんのですわ先輩」
「へ?」
そう、いつもと違う。
あえて言うなら…そう、アレだ
怒気じゃなくて殺気。

「俺、嫌やいいましたよね?」
「な、せやな」
完全に目のすわった財前は言い放った。
さっきまで天然サウナのような用具室はもはや今完全な冷凍庫のように感じる。
「な、なんや光…そ、そそんなに怒らんでも…」
「汗…嫌やって言ったのに、先輩舐めよった…」
ブツブツ言いながらゆらりと財前が立ち上がる。
殺気を感じた俺はスピードスターに相応しい走りで用具庫のドアへと駆け寄り開け放った

夏の日差しがまぶしかった

後ろを振り向くと自分の眼前には
ラケットが舞っていた
それと同じように
無数のテニスボールも

あぁ、アイツの地雷やったんか
アイツ…キレるんやな…

その後、鈍い痛みと共に俺の意識はなくなった。


END? -2010/8/15-

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