随筆紺碧

□レオンの微妙な一日
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レオンの微妙な一日


「───では、今回の合格者を発表する」
 Mr.フランシスの声が響き、いよいよ中級魔術師昇格試験の発表が始まった。
「合格者はアロエ、セリオス、ルキア、カイル……そして、レオン」
 燃えるような紅い髪の少年がMr.フランシスを仰ぎ見る。
「良く頑張った。全員合格だ」
 その声に、少年──レオンの顔に笑みが浮かぶ。
「よっしゃあ!!」
 伸びやかな身体全体を使ったガッツポーズは、彼の素直な喜びを物語るに十分だった。
「おめでとう、レオン君」
「おめでとー」
 クラスメートから送られる賛辞の言葉。それが、今のレオンには何より嬉しかった。
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