随筆紺碧

□指導室にて
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 ある日の昼下がり、ミランダに借りた本を返そうと、クララは指導室までやって来た。
 ノックをしようとした刹那、扉の向こうから声がした。
「先生…本当なんですの?」
「ええ、私は嘘は言わないわ」
 声を聞く限り、どうやらシャロンとミランダが話をしているらしい。
 何をしているのかは判らないが、シャロンの随分熱心な口調に、クララは邪魔をしてはいけないと思い、出直そうと踵を返した。

 その時。
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