随筆紺碧
□海に行こう。
1ページ/4ページ
「海に行こう」
あまりの暑さに耐えかねて、ルキアがそう言った。
「ね、行こうよ。丁度明日から休みだしさ」
「あ、さんせーい」
「あたしもー」
彼女の提案に、年少組が早くも賛成の構えをとる。
「陽に焼けそうですわね…」
「大丈夫よ。アタシが日焼け止め塗ってあげるから」
シャロンも行こう。
そこまで言われては断るいわれはない。
シャロンも了承し、女性陣では最後まで渋っていたクララも、漸く参加を決意した。
「あんた達はどうすんの?」
くるりと男性陣を振り返ると、すぐ後ろに居たはずのレオンの姿はなかった。
「あれ、レオンは?」
「水着を取って来ると言って寮に帰りましたが」
とはカイルの弁。しかし素早いものである。
「そっか。じゃ、一時間後に正門に集合ね」
あまり行く気のなかったカイルとセリオスにも十分に念を押し、ルキアたち女性陣はすたすたと教室を後にした。