コラボSS

□未熟な天才たち(シャロンside
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未熟な天才達 シャロンSide



 金髪の美少女は合格通知を手に安堵した。正直、落ちたと思っていたからだ。


 マジックアカデミー編入試験。

 実技試験は特訓の甲斐あって、難なく課題である魔法詠唱問題をクリアした。
 ところが、ペーパーテストで大きな手違いがあった。
 出題ジャンルはスポーツ。
 勿論サッカーや野球の知識ならば得意とまでは行かなくとも、常人よりかは知識があると自負している。
 ところが出題された問題の大半は競馬の問題。
 彼女は仮にも貴族の娘。賭け事のような卑俗なゲームを嗜むなどもってのほかである。
 当然競馬とて例外ではない。

 勿論馬術を否定するわけではない。
 賭け事という所に問題があるのだ。
 有名な、聞き覚えのある名前をひたすらに解答用紙に書き込んだ。
 正直、もう一度同じ試験を受けても合格する自信は無い。
 まあ、過程はどうでもいい。今は合格したという事実さえあれば。

 そんなシャロンの喜びが表に出ているのだろうか。
「シャロンお嬢様、随分とご機嫌がよろしいようで」
 幼い頃より仕えてくれている執事(じい、と彼女は呼んでいる)が、紅茶を注ぎながら訊いて来た。
「ええ、マジックアカデミーの編入合格通知が届いたの」
「なんと!おめでとうございます、お嬢様。とうとう念願のアカデミー生になられるのですか」
「まぁ、当然ですわ。わたくしの実力を以ってすれば編入試験など・・・」

 ・・・試験の帰り路、執事に「絶対に不合格だわ」と言って泣きついたのを思い出した。
 幾ら強がってもあんな姿を見られては格好がつかない。
 人一倍プライドの強い彼女にとって「強がり」など、ただの泣き寝入りと同義語であった。
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