小説
□☆TARGET
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地下の日が届かない暗い部屋。
そこから、男の声が微かに聞こえてくる。
室内にはどうやら二人いるらしい。
と、一人の男が一枚の写真を取り出し机に置いた。
そこには金髪金目の少年が写っている。
「この少年の名前はエドワード・エルリック。非常に頭の切れる子でしてね、貴方にはこの子供を殺してほしいのです」
「何故彼を?」
「この子は我々の研究所で働いていたのですが、ある日、研究過程の書かれた資料と完成品を持って逃げ出しましてね。あれが世に出ると色々と面倒でしてな」
「では、彼を殺して資料と完成品を取り戻してほしいという事ですか?」
「いや…」
恐らく依頼か何かであろう、話を持ち掛けた男は一度言葉を止めて意味ありげにもう一人の男を見上げて笑う。