【Red Viking】


『レッド・バイキング』・・・赤い(可愛い)海賊。

「なぁ、お前ぇ何飲んでんだ?」

久しぶりに上陸した夜。

私は町の酒場のカウンターで一人、酒を楽しんでいた。

はずなのに…。

「なぁ!何飲んでんだ?」

「もう、煩いわよ?そんなに何度も言わなくても聞こえてるってば!!」

静かに一人でお酒を楽しみたかったのに…。

何故?

上手く撒いたと思っていたのに…。

「しっしっし!んじゃ、答えろ!!何飲んでんだ?」

「レッド・バイキング!!」

「レッド?赤くねぇぞ?」

「そうね。赤くないわね!」

「赤くないのに何で”レッド”なんだ?」

「知らないわよ!俗語で”レッド”は『可愛い』って意味があるの!!」

「へぇ〜!そうなんか!?でも海賊なんて可愛くねぇだろ?」

「そうね!可愛くないわね!!」

「んん!?そんな事はねぇか!お前も海賊だもんな!!」

「は?」

「これはお前の酒だな!?」

「なっ?」

「だって、これ『可愛い海賊』って言うんだろ?」

はぁ…。

何を言ってるんだろう、この人は。

私から見れば、船長の方がよっぽど可愛らしいと言うのに。

「………。」

私が眉間に皺を寄せて横目で彼を見ると、ルフィは『んん?』と首を傾げている。

ほら、そんな仕草も可愛らしくて愛おしい。

愛すべき皆の船長。

そうかと思えば、時にはグッと男らしい瞳と言葉と行動で、引っ張って行く。

頼りになる皆の船長。

そう、貴方は皆の船長さん。

だから、私一人になんて構っていないで…。

「何でだ?好きな奴と一緒に居て何が悪いんだ?」

「私が…皆とまだあんまり馴染めていないから、気を遣ってくれているんでしょ?」

唯、ルフィに惹かれて仲間になった私は、未だ仲間と馴染めないでいた。

歓迎の宴まで開いて貰ったというのに。

「何、ワケの分かんねぇ事言ってんだ?オレはお前ぇと一緒に居たいから付いて来た。唯それだけだ!!」

真っ直ぐな瞳。

そんな瞳でそんな事を言われたら…。

ドキドキしてしまうじゃない。

ガラにもなく、顔を真っ赤にして俯くと船長は、ニタッと笑って並んで座る。

「やっぱり、お前ぇは可愛いな!!」

「………。」

「そうやって真っ赤になってるお前ぇも可愛いけど、笑った方がオレはもっと好きだ!」

私が黙っていると、ルフィは一人で喋り続ける。

言われ慣れない言葉の数々に、落ち着かない。

ああ!もう!

「ちょっとは静かにしてよ!」

そう言って私はルフィの唇を自分の唇で塞ぐ。

みるみる真っ赤に染まる、船長の顔。

微動だにしない身体。

目だけが、パチパチと瞬きしている。

ああ。

またガラにもない事をしてしまった。

本当に調子が狂うよ。

貴方と居ると。

私はこれから、何度となくこの可愛い愛すべき船長に振り回されるんだろうな。

今は顔を真っ赤にしている、この『Red Viking』に…。





2007年から続くカクテル・シリーズ2008年バージョン(謎)2作目はレッド・バイキングでした。

このカクテルは飲んだ事はないのですが、名前だけで決めました(笑)

機会があったら、ルフィを思い浮かべながら飲んでみようかと思います。

イメージと全然違ってたりして…(笑)




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