† REAL †
□Pretty girl
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「ま、そろそろ切らねぇとって思っていたから、丁度良かったか？」
鏡に話しかける様にそう言うと、彼は自分の顔を念入りにチェックする。
最近、伸ばし始めた髭も丁度良い具合だ。
髭が焦げなくて良かったぜ。
眉毛も焦げて無ぇ。
おっと、顔に火傷なんてもっての他だな。
一通りの入念なチェックを終えると、サンジは煙草を取り出して火を点ける。
コイツも最近覚えたばかりだ。
『あの娘』に、余裕のある『大人の男』に見られたい。
そんな一心で、手を伸ばした。
正直言って、まだそんなに美味いとも感じないのだが。
どんな風に、どんな角度でそれを扱えば格好の良い男に見えるだろうか？
そんな事を考え、鏡の前で仕草も研究した。
彼女の前で、徐に煙草に火を点ける。
それをうっとりした表情で彼女が見つめる。
或いは、窘められるのだろうか。
『煙草なんて料理人にとって百害あって一利なし、よ？』等と。