→うた

□貴方ノ声。
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つぃ…っと触れられたおデコ。

少し冷たい指が俺に触れる…


触れ……





















Σ%☆△※≒ッッ!!






焦ってその手をぱしんと払いのけてしまった。
驚いたようなサスケの表情も今の俺にはお構いなし。

顔から火が出るかと思うほどに熱く火照る顔を両手で隠し、
何でもないからと震える声を絞り出して。

怪訝そうに見てきてたサスケが一瞬何かを悟ったかのようにニタリと笑って再び元居た場所へと戻っていく姿すら、
今の自分には見やる余裕もなくて。

今の俺には自分の事が手一杯で、そんなのに構っちゃいられない。



変、変、

絶対変ッ!!


嗚呼、俺ってば本当にどうしちゃったんだってばよ〜ッ!!焦























「ナルト、そっちのそれ…」
「コ、コレ…ッ?」
「違う、その緑の背表紙のやつ。」
「あ、こっち…ね…。はい…」


──アカデミー書庫にて。

結局サクラちゃんは熱でお休み。

基本はスリーマンセルだからねぇ…って(二時間遅れてきた)カカシ先生は今日一日、
忍術・体術・幻術の三種についてのレポート提出を課題として言い渡し、

「んじゃ明日提出ヨロシクー。」


──早々に帰っていったわけで。

取り合えず二人でココに来たのはいいんだけど……


「今度はそっち。赤いマークの…」
「ッは、はいっ、てば…ょ…」


──何で隣に座るんだよ、バカサスケッ!!


どうやらアカデミー生は一泊二日の遠足に出掛けていて、
今日明日に限りこの学校には余程の私用がある人間しか現れないらしく。
つまりはこの書庫も俺ら以外誰もいないっつー…がら空き状態なんですけども


「──サスケ……?」
「何だよ。」
「あの…さ…ぁ…、」


どうして他の空いてる席に座らないんだってば?
そんな簡単な質問すら緊張のあまりか出来なかった。
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