→うた
□パレット。
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「ん、ァッ!」
組み敷いて
煽って
愛して
愛して
憎い程に愛し続けて。
好きだとも言わなかった。
ただ押さえ込んだ。
拒絶も、殴って黙らせた。
お前が悪い。
「ひぅッ!や、あぁ…ッ」
お前が悪いんだ…
「…はっ、サス…やぁぁッ」
お前が俺以外を好きになるから……ッッ
『頑張ったのにな…』
『あぁ……』
『俺、また失恋しちゃったぁ…』
『…………』
何時もの明るい君はどうしたの。
綺麗な音を鳴らす笑い声も無く
そんな風に涙目で影を落とすだなんて。
そんなのいつもの君じゃない…
なのになのに何故……ッッ
「痛ッッ──ぁァあ!!」
無理矢理お前に入り込み血が滴るのもそのまま
ただ貪るように
その姿はまるで餓えた獣の如く…
怯え震えるその躯へ吸い付いては赤い跡
噛みついては赤黒い歯形沢山残して
真白なパレットを
狂気に満ちたアカイイロで埋めていく。
取り上げられた両手首を血で滲ませ、未だ痛みと抵抗とで藻掻くお前に意味も無く興奮と罪悪感で塗りつぶされる俺。
「ど…して……ッ」
あぁ……その蒼色が。
非難を
怯えを
不安を
絶望を
総て称えた蒼い瞳が
ようやく『俺だけ』を映し出す。
「──お前が、悪いんだぜ…?」
吸い込まれるように額を合わせ間近で瞳を覗き込み
そこに写るは何と惨めな一人の男。
ただうずまきナルトの事が好きだという想いで彩られた俺自身。
ありのままの、
『うちはサスケ』……
「気絶すンなよ…」
「──ひあァァッ!駄目っ、や…アァッ!!」
伝えたい言葉が何一つ零れてはくれない
ならもうお前の声音に身を任せてしまおう
足りない言葉なんて今更どうでもいい……
お前の中に一人の男として『うちはサスケ』という色を残せたのなら……
痛いと泣き叫び
止めてと縋る君へ
少しでもこの気持ちが伝われば良い…
今は全部とは言わないから。
だから何時か…
今残した分を取りに来てよ。
その先に破滅色しか待っていなくとも……。
君が持ちきれないだろう分を預かるべく、俺はそっと呼気の乱れる赤の口唇へと自分のそれを重ね合わせた……。
END
突発サス→ナル痛系。
気分的にお持ち帰り大歓迎〜☆
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参考曲/
ポルノグラフィティ・『パレット』
―――――おかしいな、この曲こんな暗い内容じゃないのに・・・汗