→うた

□音のない森。前
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月の明かり頼りに
歩き出した


おぼつかぬ足取り






いつの間にか迷い込んだ深い森は


暗く湿ったまま


止まった…























──仕事終えて火影室へ。

特Sランクのハイリスク任務を何とか引き上げてこの里に戻ってきた。
死闘の連続で身体も精神も正にボロボロ、と言ったところだ。

でもまぁ…


こんな無理難題な任務を死者無しで遂行出来たことは何よりだ、
決してお首には出さないけれども。


「ニシシ…
良い部下を持ったってばよ☆」


うん、自慢の部下だ。



──自分にはもったいない程に…。










「零、入ります。」

暗部でのコードネーム。
『無限の可能性を秘めた』ってゆー意味で
綱手のばあちゃんが直々に付けてくれた、零=B

結構気に入ってたりして。





「──任務、ご苦労だった。」
「有難うございます。全ては計画通りに進む模様ですよ。」
「ははっ、お前の敬語はムズガユくて仕方がないよ、ナルト。」
「──コードネーム無意味じゃん、名前呼んだら。」


コロリと変わる口調。

相手は木ノ葉の火影サマで、
片や自分はただの忍。

有り得ない口調と態度に、
しかし互いが互いで微笑みながら談笑を繰り返している。


俺とばあちゃんの関係ってそんなカンジ。
今も昔も変わらない。



「任務も終わったことだし、早く帰路に着きな?
暫く休みを入れ…」

「──折り入ってご相談なんですがね、火影様=H」



俺の言葉にばあちゃんの視線が鋭くなった。

それもその筈。
俺がばあちゃんを『火影様』と呼ぶときは、
必ずって言って良いほど真面目な話の時だから。




微笑みながら、

それでも確実に引き吊りつつある口許を自覚しながら。


一言一言、

ハッキリと言葉に表した。






















「──もう、

そんなに時間が残って無いかもしれないってば…」





















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