→うた

□ハート。
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「何してんだよお前…」「え?あ…ぅ……/// 」



アカデミーの書庫から気を失ったコイツを連れ出し俺ン家まで運んできた。

先程まで死んだように睡眠を取っていたはずのコイツは、
何故か今じゃジタバタとベッドの上で倦ねていて。


「ううぅ……/// 」
「だから何してるんだって…」


近付いて顔を覗き込もうとすれば謀ったようにシーツへと潜り込みやがった。


埒が明かねェ…。


ペシリと額が有るであろう箇所を平手打ちし、
ちょっと苛立ちを露わにしてみる。

それを察したのかナルトは徐々にもそりと瞳だけを覗かせて、言った。


「恥…ずかし、ぃ…の」

あ、あんな事シちゃった後で面と向かってお前の事見れる訳無いだろ!



真っ赤になって再びシーツへと隠れたウスラトンカチに
どうしても口元が緩むのを止められず。


えぇいこの際何でもいい!


思いっきり真白のシーツごと、その塊を抱き締めた。


「Σや、サスッ!腰痛…ッ」


イヤイヤと俺を剥がしにくる腕も、押さえ込んでさらに強く。



全くコイツは可愛過ぎてホント困る。

後どれだけ俺の寿命を縮めれば気が済むのか…。

















「お前なんか大っ嫌いだってばよ!」


ずっと


「スカしてんじゃねーぞテメェ…ッ!」


待ってた。




「サスケ…俺もお前と戦いたい。」


お前の感情が育つのを。

俺の希望通りに育つ可能性は低いと解っていたけれど。








『お前』から『テメェ』に。

『テメェ』から『サスケ』へ。


徐々に『俺』が彼奴の中へと浸透していく…。



嫌いと言われ、柄にもなく傷ついた時もあった。
喧嘩なんてしょっちゅうで、その度に自己嫌悪に陥ってたりもした。


かなり前から抱いていたこの恋心を前に、
俺はすっかりと臆病者。



嫌だと思われたくなくて内心必死で対応するもそれがネックになって上手く行動出来なくて。


何時まで経っても彼奴の瞳には

『いけ好かない野郎』で
『ムカつく奴』で


『好敵手』な俺の姿。



なぁ…
もっと俺を意識しろよ…

下らない枠に押さえ込まないで
もう唯の子供じゃいられないんだ。


好きだから
愛してるから


尚更お前の全てを手に入れたいと思うのは俺の欲目だろうか。


嗚呼どうか…


『俺』を、意識して…。
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