→うた
□渦。
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「───ッ…んぁ」
「もう限界?」
「止、め……
───ッッ!!」
あぁ目の前が真っ白
ねぇ
どうしてこんな風になってしまったの…?
渦。
俺に火影昇格の話が持ち上がった次の日。
誘われるままにサスケの自宅へと連れ込まれて
…──今日一日、彼の我が儘を全て受け止める事になった。
旧知の親友という関係から
生死を委ね下ろす上司と部下の関係に、もうじき成ってしまう前に…。
肩書きは何処へ行けども消えはしないから
その前に『友』としての思い出を二人で作る…
──はずだったのに。
「───ん…。」
目に飛び込んでくるもの。
見慣れない天井
見慣れない家具
見慣れない部屋
──サスケが生活してきた、空間…
汗で張り付く前髪を掻き上げ、途方もなく思考の波へ身体を任せた。
お前が築きたかったのはこんな思い出?
この、ただ一瞬の…
瞬きのような甘い刹那?
友としてではなく、愛を分かち合った者同士としての?
──その関係が
例えその場限りの偽ったものだとしても…?
何時からそんな目で見ていたの?
それとも俺は誰かの代わりなの?
──友だと思っていたのに…
酷く痛む腰が
身体が。
其れをまるで否定するかのように悲鳴を上げた。
「───…痛……」
「起きたか?」
目だけで追えば、ドア縁に形を潜めている彼奴の姿。
いつもの自尊心過剰な喋り方と
──瞳の弱さの反比例。
──後悔、してる…?
馬鹿だね、お前は。
そうなると解っていて、事を成すのだから…。
「風呂、入るか?」
「あ、うん…」
「──洗ってやろうか。」
「バ…ッ!?///
ふざけんなッ!!」
クツクツと喉で笑う仕草はあの頃と変わってないのに…。
今宵一夜、身体を繋げてしまった事で
形が崩れてしまったという事実。
だってお前が告げるから…