→ぱられる

□夏色。
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「…………」

「…………」

「何か言うことは?」

「──負けまシタ。泣」























夏休み直前の焼け付くような暑さの中。

赤丸と赤ペケと
数字の入り交じった答案用紙が手元に戻り、
俺達は暫し睨み合いをした。



教科:数学。

ナルトの唯一得意科目。




「ちくしょーっ!
たかが3点じゃん!!」
「その3点が取れ無くて今泣きを見てるのは何処の誰だよ。」
「……うぅ…ッ
だって図形証明嫌いなんだもんよ…」



負けず嫌い。

悔しそうな空色がこっちを覗いてる。


まるで今日の空模様そのまま。

どこまでも澄み切って綺麗なのに
焦れるように熱く輝っているのだもの。


「約束守れよ?」
「わかってるってばよ…」


とことん悔しいみたいだな、
貧乏揺すりがそう訴えてる。




『今日はこれで終わりだからな。
皆明日から夏休みだからって怠けるんじゃないぞー。』


数学教師でもある担任が今更ながらの『夏休みを向かえるにあたっての諸注意』を。

聞いてるのかいないのか
一同はすでに帰宅準備に取り掛かっていて。


ただ、
同時に返された通知票の善し悪しで皆のテンションだけはバラバラだった。



『──あ、あと渦巻。』
「んー?」
『休み明けるまでに、その頭どうにかして来いよ?』



省エネ対策のため電気の消された昼の室内で、

其れでも色濃く輝く金の髪。




──この馬鹿、

まだ地毛だって申告届けて無かったのか…


「えーッ!!」
『えー、じゃない。解ったな?

んじゃ皆解散。』



コンマ何秒。

ルーム長がいち早く言葉を聞き取ってた。



『起立ー、礼!』


『『『さよーならー!』』』





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