→ぱられる

□君色☆こんぷれっくす
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キリキリと

キリキリと



また絞め上がるの
腹部ちょっと上



もう何度目かな

君を見る都度痛いんだ



でも眼で追って仕舞うのは

結局君が
『好き』だから



だから今日も
キリキリした痛みに耐えて見てるんだ


君のこと……

















君色◇こんぷれっくす
















前の席に座るお前を眺め、
数え切れないほど何度目かの溜息がまた一つ零れた。



例えば今日だけでも。

教師に当てられた範囲の英語を
スラスラと読み上げちゃったりだとか

漢字の小テストが
クラスで唯一満点だった事とか


あ、体育のバスケん時もダンクや3ポイントで女子の視線集めてたっけ。



要するに
この一個前の席で悠々と授業を受けている彼は何をやらせても率無くこなす、
しかも見た目もばっちり!な正しく眉目秀麗少年。

悔しいことに弱点など一切無くて
何時も飄々として皆の一歩前を歩いている。


今だって黒板に書かれた俺にはさっぱり理解出来ない数字の羅列を
如何にもつまらなそうにシャーペンを指と遊ばせているし。



ツキリ





(痛ッ……またか。)


そんな彼を見る度に俺の胃は悲鳴を上げるようになった。

俺には無いものばかり持っているコイツ。
羨ましくて仕方がない。



真っ直ぐにサラサラな緑の黒髪

象牙色した白い肌

口数より物語っている黒曜石の瞳


この大きな背中…



俺と全然違うし。


一寸硬めの金髪で

肌だって地黒では無いものの健康的に焼けてるし

眼だって蒼いし

食っても太らなくてガリガリだし。


この間の身体検査ん時にも保健医に
「ちゃんと食べて肉を付けなさい」って。



…どうしたらお前みたいに成れるかな?

何でも分かって
何でも出来て。


羨ましい限りなんだ。


ツキリと胃が痛むけど

君を求めて止まない僕。




──不意に彼が振り返った。
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