→ぱられる

□It's a First.
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S...





校庭では日頃騒がしい隣クラスの奴らがサッカーの授業中。
俺はそれを窓際の席から眺めながら数学教師の熱意溢れる弁論に対して
軽く無視を決め込んでいる。

何処にいてもすぐ解るあの子供にしか今は興味がなかった。



ふと見上げた先。



彼奴の目も、こんな色をしていたっけ…


透き通るような気持ちの良い快晴空。


あぁやっぱり考えるのは君の事。


普段の『俺』が俺でなくなる瞬間…。




どうせ彼奴は
俺の存在なんて気付いていないのだ、

解っているんだそんな事。


恋なんて、
片想いなんてするもんじゃない。



──暴走しそうで溜まらなくなるのに…






その瞳に俺を映させて

その口唇で
知らないであろう俺の名前を甘く呼ばせて

その華奢で折れそうな躰に俺の生(熱)を感じさせたい。



いっそ攫って仕舞おうか。

閉じこめて仕舞おうか…。





…何を言ってるんだか。
『彼奴』じゃなくなるような事、出来る訳ねぇのに。


ははっ…
相当末期だな、俺。



『うちは!何がおかしい?!私の話を聞いていたのかッ?!』

「聞いてましたし、別に笑ってませんが?」

『ッ!なら今の問題を問ぃ…』

「y=5x+7。あとさっきの問2、答え間違ってますよ。」

『───ッッ!!』



教師の引きつった顔。

ざわめき驚くクラス内。


圧勝。

俺に勝とうなんざ到底無理だね、単細胞。



何時もは黙りを決め込む俺がやけに教師に対して好戦的。

いつまでも優等生なんかじゃ居てやらねぇ。

それだと俺が彼奴の目に映ることはないだろうから。


あの涙にも負けない綺麗な蒼眼に俺自身を映させてやる。


それには行動に出ないとな。




彼奴の『世界』を征服するために先ずは一歩、
素直になる努力。




『お前…あの時泣いてた奴だろ…?』




次に会ったときの会話を心に決めて、
俺は残りの授業へと身を投じるのだった…
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