→忍びさん・2

□喜びを。another.
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白の煙

灰色の煙


もくもくもくもく

空へと消えてゆく



悲しみで濡れた人

憂いで染まる人




決して目を逸らしちゃいけない


人柱力として
飼い主として


見定めなきゃならないと思うから






姿形を変えたって


今日一日

線香の匂いが染み付いてくる










年に一度の

追悼日……













喜びを。another.













昨夜は夜通し部屋の片付けに時間を割いた。

割れたコップ
切り裂かれた壁
倒れた観葉植物

久しぶりに荒らされていて、全てを元に戻し終わったのはもう瑠璃空が
白み掛かった日光に照らされ始めた頃。

徹夜覚悟だったから別に気にしないけど、今日ばかりはランクの低い任務だったら良いなと切望したい。




「あれ?カカシ先生!!」


準備もそこそこに
少し……いや、かなり早いけど。集合場所へと移れば
普段は真っ先に見ることの出来ない担当上忍の姿が。
その横にはよく見知った恩師の姿までがある。


「おはようナルト。」
「おはようさん、ナルト!」
「おはようってばよ!え、え?どうしたの先生達。」


吃驚して訊ねたら、二人は顔を見合い
互いに手にしていた包みを差し出してきた。


え?何??


弾かれたように視線をあげた拍子、落とされた言葉に言葉を失う。


「ナルト、」
「一日遅くなったけど…」




「「誕生日おめでとう!」」



言葉が出てこない。

恥ずかしくもこんな展開初めてで
どう対応していいのかとか分からないのだ。

只でさえ常識に疎い自分、マニュアルとかあれば助かるのに
残念ながら今思ってみても仕方がなかった。





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