→忍びさん・2
□喜びを。
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今日。
珍しく 本当に珍しく
担当上忍が俺達より先に集合場所に来ていた。
何故か隣にはアカデミー時代の担任だった中忍の姿まで伺える。
(何だ……?)
さらに近づくに連れてはっきり目にしたのはいつもの金髪碧眼な目立ちたがり屋の子供。
三人で何かを話しているらしく、ナルトの表情は3秒たりとも持たずにコロコロと変化を遂げていた。
何処か入れないそんな空気に圧され、近くの木陰へと身を潜める。
……アイツが誰と居ようがいつもの事だ。
その度に嫉妬なんかしてたらこっちの身が持たねェよ。
そう頭では言い聞かせているつもりなのに
何故にこんなにも胸は苦しいのだか。
ったく、こんな時ばかり身体は正直なんだから本当困る。
肝心なとき…──まぁ主に彼奴との会話時だけれども──…に大した反応を返せない癖に、
全く以て憎らしい造りだこと。
俺だけが見ることの出来ないあの笑顔を思い浮かべ、
そっと陰から覗き見た、あの少年の顔は……
「……何でだ?」
あの大好きな教師の手前だというのに、何処か浮かない顔を見せふっと俯いていた。
あの満面の笑みを浮かべ
「イルカせんせーっ!!」と叫びながら好意全開に抱きつく、あのナルトが。
ギュッと握られた拳がより白く色付き、何かに耐えてるとしか思えない。
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