→忍びさん・2
□イフ。
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「なぁナルト。」
「何?」
「……もし俺が居なくなったらどうする?」
それは何でもない夕暮れの自室。
前触れもなく舞った言の葉に俺はただサスケを見返した。
「…………」
「…………」
「……頭でも打った?」
「違ェよ。怒」
べしっと額に攻撃を受け避難する眼で見返せば、
其処には相変わらず真摯な瞳その侭のサスケが居た。
「──サスケ…居なくなるの…?」
「もしかしたら、の話だ。お前はどうす…」
「嫌だっ!や…っ…居な…ならな…でッッ!」
ボロボロと俺の瞳から涙が流れていく…
簡単には止まらずに次から次へと…。
縋り付くようにサスケの胸元にしがみつきキツく衣服を握り締めた。
「ナルト…ッ」
サスケの腕が廻ってきて、隙間無く抱き寄せられた。
俺の反応が嬉しかったのか、強い力で包まれる。
───そろそろか。
「もーっサスケってばvV」
「……ナ、ルト?」
握っていた胸元を
「俺ってば吃驚して泣いちゃったってばよ〜☆」
「…………ι汗」
巧く左右逆に交差させて
「んも〜っホント『困ったさん☆』なんだ・か・らvVvV」
「買唐ョっ?!」
早い話、胸倉掴んで絞め上げた。
もう直ぐ落ちそうだなー…
「ギ…ギ、ブ……ッ焦」
苦しそうに白旗を掲げてくるからパッと手を放してやった。
其処には軽く咳き込むサスケの姿。
「馬鹿なこと言ってんな。」
「……嘘泣きかよ。凹」
「俺ってば涙腺操作出来るかんね。」
「死ぬかと思ったぞ?!本気で絞めやがって…」
「馬鹿は一遍死ネ。」
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