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□not to say…
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甘えを持ち
悪戯に時を過ごすな。
いつか解り会えるなんて陳腐な言葉。
そんなもので語れる程
僕等は綺麗な生き物じゃない。

だから、解り会えなくていい。
綺麗な君に
僕の跡を残して
壊す程抱きしめて
形の好い耳に唇を寄せて、空気を含ませて囁く。
「アイシテル」


起きようとしたら腕が痺れていてなにかと想う。
視界を天上からゆっくり右下に下ろした。
すると、黒い毛並みと白い肌が目に映る。
「なかもと…」
起こさないように彼の頭を腕から外し、寝顔をみつめた。
無垢で綺麗な寝顔。
安らかな寝息を零す唇。
うっすら開いたそれが欲を誘う。
「重症だな…」
髪を手で梳きながら自嘲気味に言う
「…ぅん」
安らかな寝顔に熱を上げる俺を愚かだと笑う?
愛だとは言わないまでも恋だと認めてくれる?

「認めてくれるまで待つ気なんてないけどな…」
甘えを持ち悪戯に時を流す余裕はないから。

ただ、君を強く欲している。その事実に僕は勝てない
 

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