図書館

□キズ ナ
1ページ/3ページ

「帰ってこい?…いや無理だし。学校は休みでもバイトあるし。あぁ…悪いだから親父に…うん頼むよ」
新井は携帯をようやく切った。
「まったく。しつこい親だぜ」
家に帰るように言われたらしく、少しお疲れ気味だ。
「帰ればよかったじゃないですか?ヨシキさんも帰国するでしょ?中々会えないのだし…」
もしかして、父親に会いたくなくて帰らないつもりなのかと思い、中本は言葉を切った。
「…?べつに親父に会いたくないとか、そういうのじゃねぇぞ」
ただなバイトあるし。と説明する新井に中本は安心したような笑みを浮かべた。
「よかった。新井君が僕のようにならなくて」
親子で解りあえないってつらいですから。そういう中本があんまりにも淋しげなので、新井は隣に座り肩をだいた。
「俺がいるだろうが。」
そう言って触れるだけのキスを落とす。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ