竹簡

□誘引
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「陸遜殿」
私を呼ぶ声は、常と同じく清廉であるのに、自分を捕らえる瞳が熱を宿して見つめるから背中が震えた。
机を背に立つ私に、貴方が静かに近寄る。
気付いた時には、吐息を感じる距離にいた。
「趙雲ど…」
制止の声は、頬に手を添えられる事で遮られる。
貴方の長い髪が顔に触れて燈る熱の予感。それを見透かした様に接吻けられる。
「んっ…」
夜を誘引する様に接吻は深く。流され無いように机を掴む。
溺れるのを恐れて逃げ様とする私を貴方は許さず、項に指をかけると引き寄せて更に私を蹂躙した。
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