書庫室2
□幾度となく夜が明ける
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果たして、生まれてくることを望んで産まれる者がいるだろうか。
自己の意思でこの世に生まれ落ちる者がいるのだろうか。
死後の世界で転生を望む者を数多みながらも、その疑問は密の頭を支配する。
そして答えは『否』だ。
転生するさい、魂の記憶は綺麗さっぱり無くなるものだから。
つまり、生まれ落ちる事を望む自己等ありはしないのだ。
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