詩・小説置き場
02/22(Thu) 01:33
T義主厳荘
橘 鷲聖
感光した、ナルコレプシーのうなじに、雪解けは微熱と手折れるピエタ、清涼な目眩いに、誓って
揺れ髪のこずえが指に架けられるまま、過剰な花びらの飛瀑を、君と、忘れられないデジャ-ビュ、そしてあの犇めいている星の、宛先を、冷たい手を、そっと包んでいたはずだ
白樺が空高く死んでゆく、記憶と、宇宙の嘴が飛び去ったあと、詩の孤児たちは、ファルマコンの、不可知の精度を観測する
苦悩しない者は、ただの入れ物に過ぎない、想像できなければ、死はただの空洞になる
明るい華奢の深緑に濡れる、ひとり、スピルオーバーの畔を歩いているのかもしれない
波打ち際のような襞の刺繍を、やさしい、金の果肉の澱で満たし、吐息は、破水した天文拝廊までも、繋がっていた
彫刻の海、吹き抜けに起てる三脚から、官能は解体する、若しくは定理を、デフォルマシオンに、媚態させる、美、致死量、静止、被写体、にある
やがて反芻の雨は口寄せる、トピアリーの淡い筆跡、初恋に、傘はない、枝折りを煌めく子午線の、面影が羽根を傾けたまま、鏡台に手を振る、回想たちを撫でてゆく
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