随筆
□過去の私 @
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5歳位まで食事の度
『箸はちゃんと持て!!』
『肉ばかり食べてないで野菜もきちんと食え!!』
と父に怒られながら食べた記憶しかない。
『髪にご飯が付いてる』
と母に言われた時、ご飯粒をどうしたらいいか解らないし
‐捨てたら怒られるだろうな‐
と思ったので、お茶碗の上で取っていたら
『何してるの!?髪は汚いのよ!!フケを食べるつもり!?』
と結局怒られた。
小さい頃のご飯を食べている記憶の映像は…
アラを探そうと、じっと見ている両親。
背中を丸め、怒られないように親の目を気にし、ビクビクしながら食べている自分。
でも、結局何か見つけられ怒られる。
そんなご飯の時間は嫌いだった。
弟はどうしていたか覚えていない。
その影響があるのかどうか今だにかなり偏食が多い。
野菜の多くはファミレスのバイトを始めるようになってから食べられるようになった。
小学生になってからは食事の度に誉められた。
『Tは何度見ても箸の持ち方が綺麗だな』
20代で指の一部を事故で失った父は4本の指しかない。
4本の指で箸を綺麗に持てる筈がない。
自分の理想を私に求め、箸の持ち方に関して特に厳しかったのかもしれない。